かわむら こども クリニック NEWS  平成15年 9月号


大成功!日本外来小児科学会

 今月は、おかしな書き出しで始まります。先月、目を赤くしているのに気付いたお母さんも多かったと思います。実は、この1ヶ月で4回も結膜出血を起こしてしまったのです。眼科では加齢の要素があるかもしれないとか、友人の内科の医師には年寄りは皆おきているなどといわれ、がっかりしていました。でも本当(自分で思っているだけかもしれません〕は、とても忙しかったことが原因なのです。
 来院した皆さんが待合室の患者さんの少なさに驚いたぐらい、診療には余裕がありました。でも待っていても、先生がなかなか来てくれないと不満を持ったかもしれません。では、何が忙しかったのでしょう。
 実は8月30日〜31日に仙台で、日本外来小児科学会という大きな学会が開催されたのです。今回は宮城野区の永井小児科の永井幸夫先生が会長を努められ、自分も総務という重要なポジションを任されました。このような大きな学会ともなると、準備には1年以上のかかるものです。仲間内でもインターネットの川村と評価されています。会長もすっかりその気になっていたことと、でしゃばりの性格が災いして、新しい方法としてインターネットを有効に利用することになりました。まずは、ホームページ(HP)からです。期待されているという思いから自分のHPよりも凝るしかありませんでした。見た目のインパクトだけでなくJavaなる仕掛けも凝らしてHPを作りはじめました。もう一つ、昨年までこの学会では演題(発表)の募集を葉書で行っていました。しかし、他の大きな学会はIT化されていること、自分が担当するという自負で、困難〔?)を承知で募集にもはじめてHPを使うことにしました。所詮素人には、苦難の道であったことは言うまでもありません。次は、発表です。発表は40分の講演となり、『小児科における育児支援-理念をカタチにするためには-』の題で準備に取り掛かりました。また、欲張りな性格(何度も出てくると悪い性格のように思えるかもしれません)から、地元として別にできることがないかと考えました。そこで取りかかったのが「クリニック紹介」という展示でした。展示も、ただ紙貼るだけなら誰にでもできる、自分にしか出来ないことをやろう決めました。パソコンの川村(また言ってしまいましたが)なので、今まで例のないDVDを使用した展示と決めました。発表と展示は、今流行りのコラボレーションなのです。この発表と展示の準備と学会の総務との仕事の板挟みにあって、血圧も上がりっぱなし、パソコンのモニターを見つめすぎたことが重なって結膜出血の原因となった次第です。 さて学会の方はというと、結果的に大成功でした。最も心配したのは、参加者の数です。取らぬたぬきの皮算用で予算を計画していたため、参加者が少なければ皆で持ち出しを覚悟していました。ところが会長以下皆の努力が実って、参加者も1500人を超える大盛況うちに終わることができました。この学会はクリニックのスタッフも全員参加して手伝ってくれました。この手伝いを通して、かわむらこどもクリニックのチームワークの良さを、多くの人たちに見せることが出来たのも大きな収穫でした。解散の時、手伝ってくれた多くの先生方やスタッフのうるうるする姿を見て、会長と陰で泣きあいました。本当に久しぶりの大きな感動を得ることが出来ました。多くの人たちに支えられ、本当に大きな仕事がまた一つ出来ました。今年は当院開業10年目です。10年目の区切りとして、とても大きな思い出となりました。
 診察室になかなか現れない院長にいらいらした患者さん、突然の休診で戸惑われた皆さんには、御迷惑をおかけしました。実は、このような理由があったのです。この大きな学会の成功に免じて、お許し下さい。また、講演や展示の発表には、当院を支えている多くの方々の声やメールを利用させていただきました。最近は講演の依頼や取材も増え、その度ごとにかかりつけ患者さんの当院への思いの強さを感じされられます。多くの患者さんに支えられていることを、改めてまた感じました。本当に皆様のお陰で、大きなことを成し遂げさせていただきました。ありがとうございました。
 もう一つだけ、特別に書いておきたいことがあります。当院では学生実習を受け入れています。当院での理念に基づいた様々な活動や患者さんの声を、次の世代に伝えていくことが目的です。栃木県の自治医大から実習のためわざわざ来てくれた学生さんが、この学会にも来てくれたのです。学生実習の受け入れが、充分効果を挙げていることを実感しました。
 この学会の成功という大きな経験を生かして、スタッフ一同今後とも「お母さんの不安・心配の解消」の理念に向かって努力を続けたいと思っています。
クリニック NEWS コーナーに戻る