かわむら こども クリニック NEWS  平成22年12月号


2010年を振り返って

 あっという間に師走になってしまいました。今年は、様々な意味で忙しくも充実した一年でした。例年、新年号に前年を振り返って“新しい年を迎えて”の記事を書くのですが、今月号で今年を振り返ります。というのも、1月号に載せる記事は、既に決まっているからです。来年は特別な年なので、新年号の記事もご期待ください。
クリニックとして最も記念すべきことは、院内報が3月に、200号を迎えたことです。何度か発行を断念しそうになりましたが、多くの読者に支えられて、二つ目の区切りとなる200号に到達することができました。多くの患者さんに写真や寄稿をいただき、12ページもの記念号を発行することができました。
 何より一番大きな変化は、4月から仙台小児科医会の会長に就任したことです。恐らく皆さんは、仙台小児科医会という団体が何をしているかを、ご存知なかったと思います。仙台市内の小児科医の集まりで、様々形で子どもたちの医療のために活動してきました。ところが、残念ながら多くの市民の方々の目には、その活動は映ってはいませんでした。小児科医がどんなことに取り組んでいるかを多くの方々に知ってもらうことは重要であること、市民の協力を得ての活動が欠かせない考えました。会長に就任して、今年度の活動を“髄膜炎関連ワクチン助成獲得”としました。8月から署名活動を開始、9月には雨の中の街頭署名、10月に1万筆を超える署名とともに奥山市長への要望書提出、11月には市民公開講座の開催と、順調に活動を展開することができました。政府の新しいワクチン助成決定の時期と重なりましたが、多くの人たちに支えられた仙台小児科医会の活動が、その後の仙台市のワクチン助成の大きな力にったことは明らかです。
 7月には代表世話人として、東北外来小児科学研究会を開催いたしました。特別講演には、東北大学の世界的権威として、津波の今村教授、新型インフルエンザの押谷教授の講演、一般演題の充実もあって、120人を超える参加をいただきました。開催までには、大変なこともありましたが、盛況のうちに終える事ができ、代表世話人の役割を果たすことができました。
 もうひとつは新型インフルエンザの研究です。昨年の新型インフルエンザの流行時期に、仙台市内の小児科の協力を得て、医療従事者の感染に関する研究を行いました。8月の日本外来小児学会年次集会で好評を得て、10月の秋期カンファレンスに招待されました。11月の日本小児感染症学会の発表の際でも、質問が多く評価を頂けたようです。研究には東北大学の微生物分野の多大なる協力があったことを付け加えておきます。
 10月には、東北北海道小児科医会連合会のシンポジウム“改めて学校医の役割を考える”に、県の代表として“学校保健委員会改革、そして性教育へ”を発表しました。前年の健診に続き2年連続で、しっかり宮城の代表としての役割を果たすことができました。山形での開催でしたが、小松島小養護教諭の菅澤先生が参加してくれたのは学校医活動に力を入れている立場からは、すごく嬉しいことでした。その後には、外来小児科学会の教育検討会を、萱場先生と一緒に、初めて仙台で開催しました。25人程度の小さな会ですが、全国各地から集まってきました。地元からは、大学小児科の教育担当、クリニック実習の学生が、発表し面目を保つことができました。特に学生の発表は当院の実習の良さをしっかり伝えた内容で、指導者としてはとてもうれしく満足できるものでした。もうひとつ付け加えておくなら、懇親会を開いた“仙台藩”の料理に皆さん舌鼓を打ち、満足して戴けたことでした。
 さて振り返ってみると、本当に忙しい一年でした。出張毎月2回、会議は月10回程度。CLINIC NEWSと育児情報誌“ママゴン”、その他の原稿。HPの更新、『お母さんクラブ』開催などの定番の仕事。忙しさの合間を縫って、新しくMail MewsとTwitterを始めました。Mail Mewsでは、休診、診療時間変更や予防接種等の案内に役立っているようです。Twitterはミニブログのようなもので、日常生活その時その時の模様やオピニオンをつぶやいています。
 最後に締めくくりは、この一年を支えてくれた方々への感謝です。署名活動をはじめとして髄膜炎関連ワクチンの女性に協力を戴いた市民の方々、小児科医会の活動を支えてくれた小児科医会会員諸氏、インフルエンザ研究に協力を戴いた仙台外来小児科懇話会会員並びにスタッフの方々。東北大学微生物分野の先生方、永井会長をはじめとする医師会の方々、そして大きな力になっていただいた行政の方々。忙しくも充実したこの一年には、個々にあげきれなかった多くの人たちの力添えのお陰です。もちろん、当院のかかりつけの患者さん、スタッフ、そして家族も、大きな力となりました。最後にこの場を借りて、深い感謝の意を示します。自分の人生の中でも充実した一年、本当にありがとうございました。

2010年の歩み

7月4日 東北外来小児科学研究会
8月4日 保育所嘱託医・保育士研修会
9月23日 髄膜炎関連ワクチン街頭署名
9月16日 小松島小性教育PTA行事

10月16日 日本外来小児科学会
秋期カンファレンス

10月28日 髄膜炎関連ワクチン
市長へ要望書提出

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