かわむら こども クリニック NEWS  平成19年 9月号


日本外来小児科学会07に参加して

 今月は、毎年恒例となっている学会の参加の話をしましょう。8月23〜25日は学会参加のために休診し、大変御迷惑をおかけしました。早めに掲示したつもりですが、知らずに来院した患者さんもいたかと思います。
 参加したのは日本外来小児科学会で、院長は役員のため毎年参加しなければなりません。昨年横浜での学会の模様も記事にしましたが、今年の開催場所は熊本でした。小児科の開業医の先生が中心で、全国から1500人を超える参加者が集まりました。普通、学会というと医師だけの集まりなのですが、この学会は看護師や薬剤師、事務スタッフが参加できるのが特徴です。
 今年は遠いということ、スタッフの都合がつかないことが重なり、院長と息子での参加することにしました。息子は医学部の4年生ですが、学生が参加できるワークショップ(小さな会合みたいなもの)があるので、勉強のため連れて行くことにしました。毎年のことですが、ただ参加するだけでは物足りなく、今年は演題の発表と展示を行ないました。
 8月23日朝仙台空港から伊丹空港へ。乗り継ぎで熊本着は11:30。さっそくレンタカーで出発。学会の話の中で観光は不謹慎ですが、遠くへ行くと名勝地を訪れたいし美味しいものを食べることも楽しみのひとつです。息子の運転で一路、阿蘇へ。時間も丁度お昼時、空腹を我慢しながらカーナビを頼りに地元の赤牛の田舎レストランへ。しかし、行けども行けど目的地は見つからず、カーナビの電話番号の入力ミスに気付いた時には車もすれ違えないような山道へ。電話で何度も説明され、やっとの思いで予約時間から1時間後に到着。もうお腹はペコペコ。肉には満足、でも冷汁には少々戸惑いを。食べたことの無い冷たいみそ汁では暑さもひききれず。阿蘇の火口を目指して満腹後に出発。阿蘇草千里ヶ浜等の美しい風景を堪能して、中岳火口へ。駐車場へ着くと、火口への道が通行止め。ならばとロープウェイ乗り場に行くも運休中。どうも風向きで火山ガスが溜まっていて、頂上へは行けないとのこと。せっかくここまでと思い待つこと20分、日頃の行いが幸いして(?)ロープウェイの運行開始。頂上へ着くも、火口の回りは立ち入り禁止。やはり日頃の行いの悪さかと、息子と二人でお互いのせいと思いつつ反省の時。でも神は見捨てていなかったようで、最終のロープウェイ前に火口を覗くことが。もうもうと立ち上がる噴煙と神秘的なマリンブルーの湯溜り(ゆだまり)に感激し、神の御加護を感じながら再び熊本市内へ。翌日は猛暑の中のゴルフの後、役員会へ。息子は学生のワークショップへ。
 私の工夫では、「患者さんからの贈り物―お母さんクラブの軌跡-」と題して、1998年から始まった『お母さんクラブ』の紹介と昨年のクリスマス会で会員から頂いた手作りのクリスマスツリーを展示しました。お陰様で『お母さんクラブ』は7月で開催回数80回、延べ参加人数は1205人、毎回15人程度の会員が参加しています。開催テーマは多岐にわたり、院長が担当する“こどもによく見られる症状・病気と対処法”等。スタッフが担当する“こんな時どうするの?-スタッフ編-”等。外部講師が担当する“あなたは大丈夫? 救急蘇生”、“食育ってなあに”、 “問題商法に御用心”、“親子で楽しく読み聞かせ”等。他にはリクリエーションの“クリスマス会”等があります。展示では各テーマの写真、そして昨年のクリスマス会を少し詳しく写真入りで紹介をしました。発表したものを待合室に展示してありますので、是非ご覧ください。そして、入会をお待ちしています。 電子カルテの講演発表(内容は5月号を)も無事に終わり、一安心の後熊本城を息子と見学。連日の35℃を越える猛暑、東北人には絶えられない暑さ。シャツだけでなく、パンツまでびっしょりの旅行でした。
 私の工夫で「患者さんからの贈り物」の展示ができたのは、まさに患者さんのお陰です。もちろん電子カルテの発表も、患者さんの協力があったからできたのです。発表はクリニックでの取り組みを紹介することが目的ですが、それだけではなく院長含めたスタッフ全体として一つの仕事に取り組む大切さを学ぶということもひとつの目的なのです。学会の報告だったのですが、旅行記に多くを割いてしまいました。このように学会に参加できるのも、皆さんのご理解のおかげです。ありがとうございました。
赤牛の農家レストラン「たんごやま」
阿蘇のすそ野の放牧
阿蘇中岳火口
白川水源
学会展示“患者さんからの贈り物”
炎熱地獄の熊本城見学


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