かわむら こども クリニック NEWS  平成6年5月号


お母さんの勉強会

 4月15日(木曜日)に、『お母さんの勉強会』開催しました。12月に1回目、1月に2回目で、今回は3回目ということになります。1、2回は喘息の勉強会でした。あまりに申込が多かったため、2回に分けて行いました。最初は院内で行ったのですが、20人と子供たちで、もうてんやわんやの始末でした。そのため2回目からは、福沢町の福沢市民センターをお借りして開催しています。毎回20〜30名の出席で、お母さんたちの意欲と熱意には、感心させられてしまいます。どうも忙しさにかまけてしまい、間が空いてしまいます。もう少し努力していきたいと思っています。
 今までの勉強会は約1時間で講演し、その後質問を受けるというスタイルです。なるべくお母さんたちにわかりやすく、スライドや資料を使って行っています。案内でもお知らせしたように、お茶でも飲みながら、井戸端会議のようにやっていけたらと思っています。今回の勉強会でも、話の途中お子さんが尋ねてきて、抱っこしながら話をしました。
 お母さんの勉強会の目的は何なのでしょうか? 患者さんを増やすためのデモンストレーション? 話題性のためのデモンストレーション? そんなことはありません。患者さんも多いし(自慢話と思ってください)、先日には、朝日ウイルの1面で紹介されました(これも自慢話です)。患者さんを増やす必要も話題性の必要もありません。結局は子供たち母親のためなのです。診療時間が短くなればなるほど、お母さんたちへの説明の時間が短くなります。
 お母さんの心配を取り除くのが小児科医ということは、以前からお話ししていました。しっかりした説明を聞いて、お母さんたちが安心できれは、お母さんたちの心配が減ります。お母さんが安心すれば、子供たちも安心するものです。時々、悪くなってから連れてこられる子供がいます。お母さんのしっかりした知識があれば、悪くなる前に来たはずです。知識が、子供を苦しみから救うこともあるのです。こんなことを書くのは気が引けるのですが、敢て書きます。時としてお母さんたちは、先入観とか誤った知識によって病気を見ることがあります。例えば、「肺炎は入院するもの」、「吐いたのに欲しがるので何度も与えた」とか「熱があって食欲がないのに無理に食べさせた」などです。肺炎になって入院しなかったことがあればよくわかるのですが、目の前の子供を見ていると不安になるものです。もちろん肺炎でも入院しないことの方が多いのです。自分が吐いたり熱があれば、飲食を我慢したり食べられなくても仕方ないと思ったりするくせに、子供がそうなれば反対なことをしてしまうのです。もちろんこれは、お母さんの心配からでるもので仕方ありません。しかし被害を被って(大げさかも知れません)いるのは、子供たちなのです。
 そんな子供たちを助ける一つの手立てが、お母さんたちに知識(情報)を与えることです。前にも書きましたが、患者数が少なければ、外来で充分な説明が可能です。しかし最近それができなくなってきたことも事実です。そんな状況の埋め合わせのためにもお母さんの勉強会を開いていくつもりです。
 今後とも、ご参加よろしくお願い致します。また参加しての感想、テーマ等の要望がありましたら、投書箱または受付までお願いします。
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