かわむら こども クリニック NEWS  平成21年10月号


小松島小PTA行事で性教育を!

 CLINIC NEWSの平成19年10月号に、「小学校で授業をしました」というテーマで記事を掲載しました。校医をしている小松島小学校の4年生に、性教育の授業を行ったことの報告でした。
 その授業が好評(勝手にそう思わせてください)だったため、養護教諭の菅澤先生にのせられて、昨年から4学年のPTA親子行事として、「いのちのつながり」というメインテーマから「赤ちゃんはどこから来るの-校医のお話-」というタイトルで、性教育の講演をし、今年で2回目になりました。
 今年は9月17日(木)の午後休診の時間を利用して、小松島小学校の体育館で、4学年の児童と保護者の参加で、13:30から開催されました。講演に先立ち、子どもたちをリラックスする目的で、恒例の“川村先生クイズ”から始りました。今年は、「先生の好きな食べ物」で、子どもたちが小グループに分かれて、模造紙に好きなものを記載して、順に自分がコメントしていくというものです。子どもたちの思いに答えるために、面白おかしく対応しながらも、バランスよい食事をとることに重要性や朝ご飯の大切さ、身体を動かすことの大切さも伝えることができました。講演時間は50分、講演後に子どもたちの質問を受け、その後子どもたちは教室に戻り、保護者との懇談になりました。今年は「思春期の子どものココロとカラダ」のDVD視聴で、その後に質疑応答になりました。
 「赤ちゃんはどこから来るの」(写真はスライド最初のページ:全部で26枚) の内容は、基本的には性教育の取っ掛かりの話ですが、子どもたちにわかりやすいように、簡単なことから始めます。
 まずは、“みんなはどうやって生まれてきたの”クイズからスタートです。ご想像のように、“コウノトリが運んできた、卵から生まれた、お母さんから生まれた”の選択問題です。当然のことながら、4年生では誰も間違うはずはありません。お母さんのお腹の中にいる期間、生まれた時の体重、母親のお腹の中で大切に守られていることを知って欲しいと思っています。
 続いては、院長が専門としていた新生児医療の話をしました。新生児集中治療室(NICU)に収容された576gの赤ちゃんの成長する姿を見てもらいます。親に心配され、多くの人に支えられて、育ってきたことを知ってもらうためです。そして、ひとりで大きくなってきたんじゃないことを理解し、みんなに支えられている命を大切にしなければならないことを伝えます。“命を大切にするというのは、命のことをしっかり考える”ということで、一区切りつけます。
 次には、オスとメスがいなければ、命は生まれないこと。ずっと昔から命が、つながっていることを知ってもらいます。そして命をつなげていくための準備が、そろそろ始ることを示し、ここから性教育に少しずつ入っていくのです。本題に入る前に、実習に来ている医学部の学生さんが赤ちゃんを抱っこしている姿を見せ、赤ちゃんの素晴らしさを伝えます。赤ちゃんは、ひとに、やさしさと笑顔と希望、そして勇気を与えてくれることを。そして、赤ちゃんの成長とともに、周りの人たちも成長していくということも伝えます。
 これからが本題です。命をつなげていくための準備に関して、腋毛や陰毛が生えてくること以外に、男の子(声変り、がっしりとした体つき)と女の子(胸の膨らみ、丸みのある体つき)の体の変化だけではなく、異性に関心がでる、異性が気になるなどの心の変化について説明します。その後に外からは見えない、体の中の変化に伴う精通や初経の話をします。このような大人になるための準備は、脳からの指令でおこることを説明し、指令が始る時期に個人差があることを理解してもらいます。ひとは皆違うこと、違いを深く考えることの必要は無く、自分らしさを大切にすることも伝えます。
 そして最後のまとめの言葉が、“もう一度命の大切さを考えてみよう”で締めくくります。
 これからも、小松島小学校の4学年のPTA親子行事として、来年度以降も継続することになりました。この年齢の性教育では本来の意味合い以外に、自分たちは親以外に多くの人に支えられていること、つながっている命の大切さに、子どもたちが気付くことが重要なことだと思います。講演を親子してきいたことが、家庭で話題を広げることのきっかけとなればと思っています。

 

恒例の“川村先生クイズ”
スライドの最初のページ
PTA役員さんと感謝の花束贈呈



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