小児科ミニ知識


咳について


 今回は熱と同様、お母さんたちを悩ませる咳について考えてみましょう。
 咳は医学的には咳嗽と呼ばれ、乾いた咳(乾性咳嗽)と湿った咳(湿性咳嗽、俗には痰がからんだ咳)に分けられます。多くの場合、乾いた咳は上気道(咽頭、喉頭)、湿つた咳は下気道(気管支、肺)の病気と考えてよいでしょう。しかし鼻水が多くなると喉のほうに落ちて咳で、かき混ぜられ、風邪でも湿つた咳が出ることもよくあります。
 最近止まりにくい咳の風邪が流行し、一晩中親子とも眠れないで、大変な思いをしています。そんな時の多くは痰のからんだ咳のです。小さな子は、おとなと違って意識して痰を出すことができません。その痰を出す反応として咳をしているのです。痰が多いのに、咳が出なくなったらとうでしょう。痰がたまってしまい、気道が狭くなり、呼吸が苦しくなるかもしれません。咳も熱と同じように、生体を守るための反応でもあると考えてください。咳の状態によっては、時期が来るまで、多少我慢することも必要です。
 そうは言ってみたものの、咳がひとく、ミルクや水分もとれず、咳のために吐いてしまうようになっては大変です。処方された薬をちゃんと飲ませ、充分な水分を補うよう心がけましょう。空気が乾燥しすぎないように注意し、咳の発作には冷たい水を飲ませたり、空気を入れ換えたりすることも有効な場合があることも、覚えておきましょう。
  次回ももう少し咳について考えてみましょう。
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