小児科ミニ知識


頑固な鼻汁について


 頑固な鼻水(鼻汁)が続いて、困ったことはありませんか。
 鼻汁の原因として多いのは、風邪(上気道炎)です。上気道炎では、発熱、咳、鼻汁など様々な症状が見られますが、鼻の症状だけが目立つものを鼻風邪と呼んでいます。原因はウイルスによるので、透明な鼻汁から始まり、だんだん濁って次第に少なくなるのが普通の経過です。
 しかし慢性鼻炎と呼ばれ比較的長期に渡り鼻汁が続く場合があります。ウイルスによって障害を受けた鼻粘膜の炎症が遷延していることが関係しているようです。いわゆる“洟垂れ小僧”と呼ばれて、黄色の鼻汁が持続することがあります。二次的に細菌感染を伴ったり、副鼻腔炎を併発していることが原因です。これは風邪の延長なので抗生剤で治療すれば、ほとんどは問題なく治癒します。しかし副鼻腔炎が慢性化して微熱、頭痛などを認める場合には、レントゲンなどで診断を受け耳鼻科での治療が必要になります。
 また透明な鼻汁が持続する場合は、アレルギー性鼻炎も疑わなければなりません。症状だけでは鼻風邪と区別できませんが、慢性的に持続すること、季節やある条件で悪化することなどから推測は可能です。確定のためには鼻汁の好酸球や採血によるアレルギー検査が必要となり、アトピー性皮膚炎や喘息の既往や家族歴も診断の助けとなります。特殊な場合ですが片側だけで悪臭のある鼻汁では異物の可能性があるので、注意が必要です。
 頑固な鼻汁の原因の多くは上気道炎です。まず大事なことは、風邪をしっかり治療をするということです。長引く場合は、専門の耳鼻科を受診することも必要でしょう。
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