小児科ミニ知識


風邪と入浴について


 鼻水がでるから入浴させていませんとか、熱があるのに入れていいですかと聞かれます。風邪の時の入浴、どう考えたらいいのでしょうか。発熱時はお風呂に入れないことは、日本では常識です。外国ではむしろ熱を下げるために、入浴することもあります。しかし常識を破って問題が起これば、誰だって後悔したり非難されることは明らかです。実際に入浴と関係が無くても、たまたまひきつけたりすれば、入浴との関係を考えてしまうのが普通です。そこで後悔するのであれば、常識を守って入れないことが得策でしょう。育児では危険を避けるということも、大切なことの一つです。
 では何を基準に、入浴を考えたらいいのでしょう。子どもは、夜熱が出て朝に下がっても再び夜に出ることは珍しくはありません。そう考えると解熱後24時間は、待つ必要があります。もちろん他にも条件があります。嘔吐や下痢が多い、咳や呼吸が苦しいなど症状がひどい場合には、もちろん避けてください。多少症状が残っていても機嫌が戻り元気が出てくれば、そろそろ考えていいでしょう。回復期になっても食欲が無い場合には、どうしたらいいのでしょうか。食欲がでるまで時間がかかることもありますが、水分が十分にとれていれば構わないでしょう。しかし水分を取れずにお風呂で汗をかきすぎると、脱水症になってしまうこともあるので注意して下さい。
 鼻水や咳が出るから、入浴できないというものではありません。入らなくても腐るわけではありませんから、心配しながら入浴させる必要はないでしょう。一つの症状だけに目を奪われず、全体を見て考えてあげることが大切です。

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