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小児科ミニ知識
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赤ちゃんの下痢

 今回は赤ちゃんの下痢について、お話しましょう。乳児健診で、「うちの子は、下痢ばかりで心配です」と相談されます。果たして、これは下痢なのでしょうか。
 まずは一般的な話をしましょう。母乳栄養と人工栄養(ミルク)の赤ちゃんでは、便の性状は異なります。母乳の赤ちゃんは便が緩く時には水っぽくなり、まるで下痢のように見えることがあります。それで下痢と心配するお母さんの割合が多くなります。それと比較すると人工栄養の赤ちゃんは、柔らかいということが多いようです。
 下痢とは、いったいどんな状態を指すのでしょうか。大人の場合には固形の便が出るので、柔らかいとか水っぽいということで下痢と考えても仕方ありません。時々一度だけの下痢が見られますが、誰もこれは病気とは考えていません。下痢が問題となるのは、腸の炎症により水分が失われることと栄養の吸収が阻害されることです。この場合哺乳力低下や不機嫌、体重の減少や脱水などの症状が見られ、下痢症と呼ばれています。原因には細菌性やウイルス性など様々ありますが、ウイルスによることが多いようです。
 赤ちゃんの場合便の緩さが1ヶ月も続いているのに、哺乳量は増加し、機嫌も良く、体重のしっかり増えていることがほとんどです。これは下痢症で問題となるような水分の消失や栄養の吸収障害はないということで、心配はありません。
 また離乳食を始めたら下痢になったということが聞かれますが、どうもこれはあまり関係ないようです。ミルクは牛乳が原料だということを、皆さんご承知のことと思います。消化や吸収にいろいろな工夫がされていますが、含まれる主体は乳蛋白と脂肪です。これと比べて初期の離乳食は、ほとんどが炭水化物です。両者を比較すれば、炭水化物の方が消化吸収に優れていることは、誰の目にも明らかです。ですからこの時期の下痢の多くは、他の原因が関係しているのです。
 便の性状だけでも、心配な場合があります。大量の水様便、白色の下痢便、血液が混じるときなどです。症状を伴うことが多いので、早めに小児科を受診することをお勧めします。
 便を見て子育てしているのではありません。もっと大きな目で赤ちゃんを見てあげることが大切なことの一つです。