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小児科ミニ知識
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クループ

 今回は、声枯れと特徴的な咳で、呼吸困難の原因となるクループについて、お話しましょう。
 ジフテリアで起こるものを真性クループ、それ以外のものを仮性クループと呼んでいました。現在ではジフテリアは見られないため、単にクループと呼んでいます。のどより少し奥の喉頭や声帯に炎症が起こる病気です。乳幼児に多く、秋から冬に見られます。原因の多くはウイルスですが、細菌の場合は重症となります。
 症状は、嗄声(声枯れ)や特徴的な咳(犬がほえるような)で、重症になると呼吸困難が起こります。高熱を伴うことが多く、夜になると悪化するのが特徴です。空気の通り道が浮腫によって狭くなり起こるもので、初期には泣いた時のみ吸気の時に音がでるようになります。次第に安静時にも吸気の時に音がでるようになり、悪化すると呼吸が苦しくなり不機嫌になります。重症かどうかは初期には区別できませんが、症状が急激に起こる場合は重症となります。症状が特徴的なので注意を向けていれば、比較的早く診断が可能です。
 治療は、細菌の場合には抗生物質を使用します。気道の浮腫を取るための吸入や薬剤を使いますが、重症の場合には入院が必要になります。軽症の場合は、室内を加湿し水分の補給を心掛けましょう。
 重症になる可能性がある病気なので、症状(普通の咳と違うようなら)に気を付けましょう。夜になると悪化することが多いため、日中に受診したいものです。